高槻市の東部に新たな市街地(萩之庄・梶原新都市拠点)を整備し、その玄関口としてJR京都線の高槻~島本間に新駅を建設する計画です。
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JR西日本とのまちづくり連携協定
高槻市とJR西日本が「まちづくり連携協定」を締結したのは2019年春のことです。
高槻市とJR西日本が「まちづくり連携協定」を締結しました(平成31年3月1日) – 高槻市 新ホームページ
https://www.city.takatsuki.osaka.jp/soshiki/48/3797.html
締結内容
出典:高槻市ウェブサイト
- 高槻東部地域における新たな市街地形成と新駅設置等の可能性検討に関すること
- 高槻西部地域における踏切課題の解消に関すること
- 駅を中心としたコンパクトシティ・プラス・ネットワークの実現に関すること
- 定住人口、交流人口等の拡大に向けた都市基盤整備に関すること
- その他、鉄道と連携したまちづくりに関すること
前年の2018年から両者が意見交換しており、市東部の開発にあたって新駅設置を検討することがこの時点で明記されました。
新たな市街地形成の検討開始
新駅設置が検討されているのは、高槻駅から東に走り檜尾川(ひおがわ)を渡ってすぐ、萩之庄・梶原の周辺です。
新駅設置と新たな市街地形成検討事業の取組 – 高槻市 新ホームページ
https://www.city.takatsuki.osaka.jp/soshiki/48/69061.html
近接する阪急京都線の線路より南側には、イオン高槻店やエディオン高槻店など商業施設であったり、丸大食品やクラシエフーズなど大企業の工場が立地しています。しかし北側の土地はほとんどが市街化調整区域として農地のまま残されてきました。
管理人
「市街化調整区域」という言葉を知らない人のために解説しておきますと、都道府県などが都市計画の及ぶ範囲を定めるにあたって「市街化区域」の反対、つまり無秩序な開発を防ぐため市街化したくないと決めた地域のことを指します。
要するに、今まで高槻駅を過ぎると急にのどかな風景になったのは、あえてそうしてきたから、ということですね。
ところが従来の市街地で開発できる場所が減り、新たに市街地を設ける検討が始まりました。そこで2017年末に新名神高速道路の高槻ICが開通したのもあり、市東部が有力と判断され、冒頭の意見交換が始まった、というわけです。
検討の本格化
この地域の市街地としての需要を探るため、2019年秋に高槻市が市場調査を行いました。その結果、40法人が進出に関心があると回答し、また54法人が「条件が合えば」あるいは「将来的には」検討したいと回答したということです。
その内容も幅広く、これらが全て進出するならば確かに新たな市街地と呼べそうです。
また同年冬から農地所有者・周辺住民を対象に行われたアンケートでは、7割以上が新駅があった方がよいと回答し、ほぼ半数が農業を辞めたいと回答したとのことです。
これらの結果を受け、2021年に改訂された高槻市都市計画マスタープランでは萩之庄・梶原新都市拠点としてこの地域が正式に位置づけられ、「新たな拠点形成の核となる新駅設置について検討します」の文も盛り込まれています。
高槻市都市計画マスタープラン – 高槻市 新ホームページ
https://www.city.takatsuki.osaka.jp/site/keikaku/3823.html
最新の動向
新市街地に隣接する阪急京都線の線路南側には、三菱自動車工業も拠点「高槻オートスクエア」を構えていますが、2022年12月にその土地の大半をキーエンスに売却したことが発表されました。
三菱自動車、物流拠点の一部をキーエンスに売却: 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC239GV0T21C22A2000000/
キーエンスは既に同じ高槻市内に倉庫を持っていますが、新駅の徒歩範囲に広大な敷地を手に入れて倉庫を新設することで営業力をさらに拡大することが見込まれます。