加古川市は玄関口であるJR神戸線・加古川駅前の再開発に乗り出すことを決めました。
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概要
もともと加古川市が2020年にまとめた「加古川駅周辺地区まちづくり構想」の時点では、駅北口の市有地である「31街区」という街区のマンション開発を表玄関の南口側より先行して事業化する方針でした。
しかしコロナ禍によって事業計画は一度凍結。その間に計画を練り直し、2023年2月になって市は南口側も含めて一体的に駅周辺を再整備する方針を打ち出しました。それが「JR加古川駅周辺まちづくり(案)」です。
JR加古川駅周辺まちづくり(案)を策定しました/加古川市
https://www.city.kakogawa.lg.jp/shiseijoho/kakogawashinoseisakuzaisei/38281.html
JR加古川駅南、3ビル建て替え 再整備へ市が方針案 カピル21ビルなど高層化、マンションや商業施設に | 東播 | 神戸新聞NEXT
https://www.kobe-np.co.jp/news/touban/202302/0016034694.shtml
南口の再編
今回の計画では、市の第三セクターが加古川駅南側に所有するカピル21ビル・サンライズビル・駅前駐車場ビルの3つのビルについて建て替える方針です。次のイメージ図は駅の高架ホームから見下ろしたものであり、向かって右奥が現在のカピル21ビル、左手前が現在のサンライズビルの敷地にあたります。
カピル21ビル
カピル21ビルはもともと「そごう加古川店」として開業した建物で、そごう撤退後は姫路を地盤としていた百貨店(現在はラオックス傘下)であるヤマトヤシキがメインテナントとなっています。また、2021年からは空き区画を利用して加古川図書館も入居しています。
管理人
ちなみにヤマトヤシキの姫路店は老朽化や売上減などの理由から2018年をもって閉店しており、現在加古川が唯一の店舗となっています。
建て替え後のイメージ図を見ると、敷地一部に高層タワーマンションの建設が想定されていることがわかります。また、公共機能として加古川図書館に加え、現在は駅から約1キロ南の市役所に隣接している市民会館も移転させてきて、1000席規模の大ホール等を設けるといいます。商業区画にヤマトヤシキが再出店するかどうかは現時点では不明です。
サンライズビル
今回の3棟の中で最も古いビルであり、2023年現在で唯一築40年を超えています。老朽化が進んでおり、空きテナントが目立ちます。
建て替え後は店舗だけではなく、事業者のオフィスとしての利用も検討されます。計画の中には「カピル21ビルとのツインタワーを形成」との勇ましい文面も含まれていますが、イメージ図を見る限り現実的には10~15階程度の想定でしょうか。
駅前駐車場ビル
立体駐車場ですが、低層部にテナントとして銀行が入居しています。今回の計画では建て替えの具体的な方針までは示されず、建て替え後のイメージ図でも白塗りで描かれています。先述の神戸新聞の記事によると「周辺駐車場の整備状況や需要を調べながら、建て替え時期や利用方法を検討するという」とのことです。
駅前広場
これらの再開発に合わせて駅前ロータリーも再編し、北西側の歩行者空間を広げて憩いの場となる芝生広場を導入するイメージが描かれています。
事業スケジュール
市が今回示したスケジュール案では、着工までを第1ステージ、カピル21ビルとサンライズビルそれぞれの建て替えを第2・3ステージとし、各ステージに5年から7年かかるものとしています。ただ、これを順番にやっていくのであれば合わせて20年近く、すべての完成は2040年頃ということになってしまいます。
そもそも現在のヤマトヤシキとの賃貸契約が2028年まで残っていますし、着工がそれ以降になるのは仕方ありません。しかし、そこからまずサンライズビル、それが完成してからやっと本丸のカピル21ビル建て替えでは遅すぎます。加古川の都市規模では割けるリソースが限られるかもしれませんが、何とか完成を早めたいところです。
管理人
同じJR神戸線沿線の主要駅ですと、明石駅で2017年に超高層タワーマンションを含む再開発が完成し、同様に垂水駅でも2025年に完成を目指して事業中で、加古川は出遅れている状況です。
かわまちづくり
加古川駅周辺を見渡すと、駅から徒歩圏内に市の名前ともなっている県内有数の河川・加古川が流れ、大きな河川敷が広がっています。
加古川市では近年この特徴を捉え、川を賑わい創出に活かすいわゆる「かわまちづくり」に力を挙げており、2022年には「加古川市かわまちづくり計画」をまとめました。
今後2027年度までをめどに、河川敷内に広場や船着場等を整備していく方針です。