阪神高速2号淀川左岸線を現在の海老江ジャンクションから延伸し、最終的に近畿道・第二京阪の門真ジャンクションまで繋げる事業です。
マップ左上のアイコンからメニューを開くことができます。必要に応じてレイヤーを切り替えるなどご活用ください。
概要
この区間がすべて完成すると、淀川左岸線・近畿道・大和川線・湾岸線によって大阪市街地を取り囲む高速道路の輪が完成します。恩恵を受けるのは物流だけでなく、たとえば第二京阪から梅田や新大阪、USJに最短距離で行けるようになるなど大阪の交通事情が大きく改善されます。
この輪のことをお役所言葉では「大阪都市再生環状道路」と呼ぶのですが、その由来は古く、2001年に国の都市再生プロジェクトとして決定されたことに遡ります。
都市再生プロジェクト(第二次決定)
https://www.chisou.go.jp/tiiki/toshisaisei/dai3/3kettei2.html
淀川左岸線の延伸区間のうち、海老江ジャンクションから新御堂筋(国道423号)と交わる豊崎出入口(仮称)までは既に着工しており、淀川左岸線(2期)と呼ばれます。また、残る豊崎出入口から門真ジャンクションまでの区間を淀川左岸線延伸部と呼びます。
淀川左岸線(2期)(海老江~豊崎)
新大阪から万博会場へ
新御堂筋とは、梅田からほぼ地下鉄御堂筋線に並走する形で新大阪、千里中央、さらに箕面有料道路を介して新名神高速道路まで繋がる文字通り大阪の大動脈です。淀川左岸線(2期)が開通すると特に豊崎出入口は新大阪の最寄りとなることから、この2期区間だけでも絶大な効果が見込まれます。
事業計画では、2025年の大阪・関西万博の会期中には新大阪と夢洲を結ぶバスのために先行的に開通を間に合わせることになっています。万博閉幕後は再び工事に入り、一般車が利用できるようになるのは2026年度末(=2027年3月)からとなるはずでした。
しかし周辺の軟弱な地盤が災いし、地下トンネルの工法の変更を迫られることになります。2022年9月に開催された「大阪市大規模事業リスク管理会議」において、全通は当初より6~8年遅れて2032~2034年度末になる見通しが示されました。
大阪市:大阪市大規模事業リスク管理会議 (…>審議会>各種審議会など)
https://www.city.osaka.lg.jp/shiseikaikakushitsu/page/0000426201.html
それでは万博アクセスが当然気になるわけですが、トンネル工事が間に合わない区間は埋め戻さなかったり地上を走らせたりして何としてでもバスの通行は確保するようです。
進捗状況
さて、淀川左岸線(2期)の建設現場の様子ですが、豊崎出入口付近の進捗状況は新御堂筋の新淀川大橋上から確認することができます。
北側から豊崎出入口付近を見た様子です。
もっと近づいてみると、河川敷には多数のクレーンが立ち並んでいます。
橋から地上に降りるスロープからは、さらに間近で建設現場が見られます。画面手前に掘られているトンネルは先述の図の右端、豊崎入口に該当します。
その他の区間は、河川敷への立ち入り自体が制限されているため外部から確認が難しいところです。大阪市のウェブサイトで進捗状況が更新されているので興味がある方は見てみましょう。
大阪市:淀川左岸線(2期)事業における工事の進捗状況 (…>都市計画道路>主要事業)
https://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/page/0000487986.html
淀川左岸線延伸部(豊崎~門真)
残る門真ジャンクションまでの淀川左岸線延伸部は、計画では2032年度の全通を目指すようです。しかし、既に2期の工期が見直しによって2032年度を過ぎる見通しなので、こちらも遅れる可能性が出てきています。
豊崎出入口を過ぎると住宅地を大深度地下で通り抜けるため、しばらく出入口がありません。北側に近接して、新大阪駅に向かうリニア中央新幹線や北陸新幹線も大深度地下を利用するはずであり、都市構造が複雑さを増していきます。