神戸市須磨区に2024年春、新たな水族館を目玉とするリゾートが誕生します。

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生まれ変わる須磨・垂水

リゾート地としての進化

神戸市須磨区から明石市にかけてJR神戸線と山陽電車・国道2号が並走する区間には、海が迫った地形を活かして様々な施設が立地しています。中でも淡路島へと繋がる明石海峡大橋は全国的な知名度を誇り、また須磨海水浴場は地元の関西から絶大な人気を集めています。

管理人

個人的にはこのエリアに、神奈川県の「湘南」に該当する統一的な呼称があれば便利だろうなと感じます。

このエリアではさらに2024~25年に大型施設の開業・リニューアルが相次ぎ、リゾート地として磨きがかかる予定です。

須磨海浜公園

市立須磨海浜水族園を建て替えて民営の新たな水族館「神戸須磨シーワールド」とするほか、ホテルも建設するなど須磨海浜公園をリゾートとして再整備し、2024年春に開業します。詳しくは後述します。

須磨海づり公園

山陽須磨浦公園駅の近くの海岸から海に突き出した釣り場が須磨海づり公園です。2018年の台風第21号(俗に言う「関空台風」)で著しい被害を受けたため休止が続いていましたが、民間運営による2024年度の再開を目指して指定管理者制度を導入することになっています。

外部リンク

釣り場自体の規模はかつてより縮小されますが、撤去した部分の構造物を海に沈めることで魚のすみかとなる人工漁礁を設置し、釣り場としての魅力を上げるようです。

須磨海づり公園
出典:神戸市ウェブサイト

三井アウトレットパーク マリンピア神戸

JR・山陽垂水駅から徒歩数分、海に面したショッピングモールが三井アウトレットパーク マリンピア神戸です。独立した数棟の建物から構成されていたのが特徴ですが、全館の一体的な建て替えが決まったため2023年1月をもって一時閉館しました。2024年度の営業再開を目指しています。

外部リンク

「(仮称)三井アウトレットパーク マリンピア神戸建替え計画」計画概要を決定
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2022/1226/

マリンピア神戸
出典:三井不動産ウェブサイト

この建て替えにより、施設の延床面積が約36,100㎡から約74,000㎡へと2倍以上に増床され、集客力向上が期待されます。

須磨海浜公園の再整備の全体像

はじめに

市立須磨海浜水族園が老朽化してきたこともあり、2019年に須磨海浜公園一帯を再整備する計画について神戸市が公募を実施しました。その結果、サンケイビルを代表にJR西日本不動産開発、阪神電気鉄道、グランビスタ ホテル&リゾートなどが名を連ねる「神戸須磨Parks + Resorts共同事業体」の提案が採用されることになりました。

外部リンク

神戸市:須磨海浜水族園・海浜公園の再整備
https://www.city.kobe.lg.jp/a64051/shise/kekaku/kezaikankokyoku/suma_renewal/

管理人

関東では名前が知られている「鴨川シーワールド」(千葉県)という水族館を運営しているのがグランビスタです。

公表されている計画の概要をもとに、再整備内容の全体像を見ていくことにします。

2023年3月現在は工事の最盛期となっており、多数のクレーンが立ち並んでいます。三角屋根の建物が現在の市立須磨海浜水族園の本館で、5月まで営業を続けたのち解体予定となっています。

工事全景
2023年3月13日撮影

神戸須磨シーワールド

概要

新しく開業する水族館「神戸須磨シーワールド」は「シャチ棟」「イルカ棟」「魚類・アシカ・ペンギン棟」の3棟をメインに据え、また現在の本館敷地は将来の拡張に備えて「海のみえる丘広場」となります。目標として初年度の来場者数は250万人、その後は年間来場者数200万人程度を掲げています。

管理人

これは沖縄美ら海水族館(沖縄県)・海遊館(大阪府)・名古屋港水族館(愛知県)に次ぐ日本第4位の規模です。

シャチ棟

現在シャチは国内で鴨川シーワールドと名古屋港水族館でしか飼育されておらず、関西唯一のシャチ飼育施設となります。シャチ棟には泳ぐシャチを眺めながら食事ができるレストランや、シャチについての最新の研究成果が学べるスペースなども設けられます。

イルカ棟

イルカ棟には浅瀬でイルカと触れ合えるイルカビーチが設けられ、給餌体験などもできる予定です。

観客スタンドが建設中です。

イルカ棟
2023年3月13日撮影

魚類・アシカ・ペンギン棟

須磨コレクション」として建物外部に向けられた水槽が設置され、チョウザメなど一部の魚が無料展示されます。

須磨コレクション
出典:神戸市ウェブサイト

館内に入り「エントランスフォール」と名付けられた滝をくぐり抜けます。低層部は主に、地元・神戸の六甲水系をイメージした「ローカルライフ」エリア、太平洋のサンゴ礁をイメージした「コーラルライフ」エリアと企画展示・イベントスペースなどからなります。企画展示には子供が立ち入れるタッチングプールなども予定されています。

上層階ではアシカやアザラシを展示する「シールアイランド」エリアのほか、ペンギンやウミガメなども飼育されます。

神戸須磨シーワールドホテル

神戸須磨シーワールドの東側に隣接してホテルが建設されます(旧計画では「神戸須磨パークス&リゾーツホテル」となっています)。

目玉が「ドルフィンラグーン」と名付けられたプールで、なんと実際にイルカと同じプールで泳ぐことができる予定です。水族館併設ならではの試みです。

ドルフィンラグーン
出典:神戸市ウェブサイト

ほかにも「プレミアムルーム」として水槽が設置された部屋や、宿泊利用者以外も利用できるレストランなども設けられます。

ホテルの向かいには市立須磨ヨットハーバーという船溜まりがあり、連携も期待されます。

須磨ヨットハーバー
2023年3月13日撮影

中央右の曲線を描いた建物がホテルで、左側は水族館のシャチ棟です。

ホテル
2023年3月13日撮影

松の杜ヴィレッジ

水族館西側の松林の中にはイベントを開催できる複数の広場が整備されるほか、にぎわい施設として「松の杜ヴィレッジ」と称する複数の低層建物が設けられます。

すまっこひろば
出典:神戸市ウェブサイト

松の杜ヴィレッジにはコンビニや子供のためのブックカフェアウトドアストアなどが入居し、キャンプ体験ができるグランピングエリアも完成する予定です。

アクセス

JR神戸線・須磨海浜公園駅から歩いて数分とアクセス良好です。駅舎のデザインには、海にちなんで帆船がモチーフとして取り入れられています。

須磨海浜公園駅
2023年3月13日撮影

ただ、この須磨海浜公園駅は2008年に開業した比較的新しい駅です。そのため、水族館へは駅開業以前から存在したごく普通の住宅街を通り抜けることになります。

管理人

リゾート気分という点では、海水浴場の最寄りとなる文字通り駅の目の前が海である須磨駅と比べると劣るところです。

次の写真は、水族館側に南下した場所から駅舎を見たものです。

経路
2023年3月13日撮影

実はこの動線から1本東に入った道が若宮商店街という小規模な商店街となっており、2015年からドルフィンロードという愛称を付けて観光客にも浸透させようとしています。とはいっても、現状は薬局など地元住民向けの店舗ばかりです。今後の進化が期待されます。

若宮商店街
Googleマップをもとに2023年3月15日作成