神戸市東部の灘区に位置する王子公園を再整備するにあたって、現敷地の一部に大学を誘致する計画です。

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概要

阪急王子公園駅前、JR灘駅・阪神岩屋駅からも徒歩圏内と交通アクセス良好な王子公園。主要施設は王子スタジアムや高い知名度を誇る市立王子動物園などがありますが、いずれも1951年のオープンから70年を迎え、老朽化が進んでいます。そこで、公園全体を再整備する方向性が2021年に表明されました。

外部リンク

2021年12月に王子公園再整備基本方針の最初の素案が発表されたものの、動物園の面積が現況より減ってしまうものだったことなどから反対意見が多く、修正を経て2022年12月に正式に策定されました。

概要
出典:神戸市ウェブサイト

再整備基本方針の詳細

動物園ゾーン

王子公園再整備基本方針が策定されたのと同日に、王子動物園リニューアル基本構想も発表されています。

外部リンク

最新ニュース|神戸市立王子動物園
https://www.kobe-ojizoo.jp/info/detail/?id=559

王子動物園リニューアル基本構想
出典:神戸市立王子動物園ウェブサイト

本構想では王子動物園のコンセプトとして「六甲の豊かな緑を感じ動物と人がいきいきと過ごしながら、世界につながる動物園」、また目指すべき方向性として「まもる」「まなぶ」「ふかめる」「たのしむ」「はぐくむ」の5つを掲げています。これをもとに、今後より具体的なリニューアルの計画が策定されることになります。

大学ゾーン

今回の再整備の目玉事業として敷地の東側、阪急王子公園駅に一番近い場所に大学キャンパスが誘致されます。約3.5ヘクタールの土地は貸し出しではなく100億円(約28.5万円/㎡)での売却が想定されています。応募検討を公表していた関西学院は2023年1月、神戸新聞によるインタビューで改めて応募に前向きな姿勢であることを示しました。

外部リンク

関学、神戸・王子公園への進出に意欲 「地域と一体化した場に」 神戸市再整備計画 | 総合 | 神戸新聞NEXT
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202301/0015938830.shtml

そして同年2月、神戸市は公募の事前登録にあたる応募予定者登録に締切内に参加したのは1者であることを公表しました。これから具体的な審査が始まりますが、関西学院大の進出が事実上決まった形といえるでしょう。

応募予定者登録
出典:神戸市ウェブサイト

今後のスケジュールとしては6月に正式に関学が優先交渉権者となり、土地の引き渡しは2026年度末(2027年春)となる予定です。そこから建物等の整備が始まることを考えると、開学は2030年以降でしょうか。

スポーツゾーン

現在の王子スタジアムの機能は、スポーツゾーンとして整備される敷地北側のエリアに移ってきます。
神戸市における陸上競技大会のメイン会場は既にユニバー記念競技場(須磨区)に移っているため、素案の時点では王子公園に新設するスタジアムはサッカー・ラグビー等の球技専用とする予定でした。しかしこちらも反対意見が根強かったため、陸上競技用のトラックも改めて整備されることになりました。

ところで地図を見ると、新スタジアムを建設しようとすると旧ハンター住宅が支障することがわかります。旧ハンター住宅は1889年竣工というまさしく国の重要文化財に値する建築ですが、もともと王子公園の敷地にあったわけではなく、当初は北野異人館街に建てられて1960年代に移築されたものです。この旧ハンター住宅について、久元市長は2023年2月の定例会見で北野異人館街に再移築することを表明しました。

外部リンク

緑の広場・駐車場

公園の南側、メインの入口に面したスペースが現在は駐車場となっていますが、ここに緑の広場を設けます。そして入口からの道は歩行者専用のシンボルプロムナードとし、一方で駐車場は公園北東側に移すことで人と自動車の動線を分ける計画です。