JR学研都市線の住道駅と野崎駅(いずれも大東市)の間に新駅を設置する計画です。
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新駅計画の経過
この区間に新駅を建設する計画は、実は2005年3月の時点で報道されています。
神戸新聞ニュース:総合/2005.03.01/県内で3新駅検討 JR西日本(※ウェイバックマシンによるアーカイブ)
https://web.archive.org/web/20050306171604/http://www.kobe-np.co.jp:80/kobenews/sougou05/0301ke80200.html
その直後の4月に痛ましい福知山線脱線事故が発生します。この時期にJR西日本が打ち出した新駅計画は、緊急的に運転時分に余裕を持たせる必要性からトーンダウンしてしまいました。
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実際、上記記事には5つの新駅計画が挙げられていますが、2023年現在まだ1つも実現していません。
しかし計画が完全に立ち消えになったわけではなく、大東市ではその後も検討が続けられてきました。そして2017年5月には、新駅予定地から近い大阪産業大が中心となって作る大東新駅期成同盟会が新駅の早期実現についての要望書を市に提出し、自前で20億円を上回る駅関連施設の整備費を負担することを表明したのです。次に示すのは、同年7月に開催された「大東市の新駅に関する特別委員会」の議事録の一部です。
大東市議会会議録検索システム 詳細検索
http://daito.gijiroku.com/gikai/g08v_search.asp
管理人
なぜ大東市ではなく期成同盟会が多額の出費を担うのかというと、(少なくとも新駅の話が出た2000年代当初は)市民の意見が必ずしも一枚岩ではなかったからです。特に、既存の住道・野崎両駅周辺の商店主は客が奪われるとして反対していました。
これを受けて、東坂市長が2018年の施政方針演説で新駅計画に真正面から触れました。
施政方針 – 大東市ホームページ
https://www.city.daito.lg.jp/soshiki/74/2082.html
これらの鉄道3駅に加えまして、新たな交通拠点として、地域住民や地域企業などと共同して、JR住道駅―野崎駅間の新駅設置にかかるまちづくりの可能性を検討してまいります。
出典:大東市ウェブサイト
2022年12月に改訂された最新の都市計画マスタープランでは新駅計画に触れつつ、引き続き既存駅周辺の商店主への配慮をにじませています。
「大東市都市計画に関する基本的な方針」について – 大東市ホームページ
https://www.city.daito.lg.jp/soshiki/66/1624.html
JR住道駅・野崎駅間における新駅構想については、市民・関係団体・鉄道事業者等で設置に関する合意形成がなされるよう調整に努め、事業決定に至ったときは、交通結節機能の向上について検討を行います。
出典:大東市ウェブサイト
中北製作所の移転
新駅計画地の周辺を見渡すと、大阪産業大だけでなく大阪桐蔭中・高やアマゾン大東FCなどが立地しています。現在は住道・野崎両駅を使ってこちらに向かっている通勤・通学需要は間違いなく多いでしょう。
一方で、住宅はさほど密集していません。ですから、新駅ができたとしても新たな需要が創出されるわけではなく、単に住道・野崎両駅から利用者を奪うだけだ――という反対意見には一理あったように思われます。
しかし、ここに来て新駅計画地の南西に立地する中北製作所が同じ学研都市線沿線の星田駅北地区に全面移転を検討するという話が出てきました。
全面移転となった場合、いきなり4~5ヘクタールにわたる土地が新駅計画地の近くに生まれることになります。新駅とセットでこの土地の開発に成功すれば、既存の住道・野崎両駅とパイを奪い合うのではなく、市全体の発展に繋がるといえます。つまり、この土地が新駅設置の鍵を握っているともいえるのです。