日本有数のコリアタウンとして名高い大阪市生野区。韓国関連の店が集中する区域は鶴橋駅前にとどまらず、駅東側を南北に通る道路(通称:疎開道路)、そしてさらに御幸森天神宮付近で東に折れて御幸通商店街へと続きます。

マップ左上のアイコンからメニューを開くことができます。必要に応じてレイヤーを切り替えるなどご活用ください。

鶴橋鮮魚市場

疎開道路と近鉄電車の線路の交点付近に位置する鶴橋鮮魚市場ですが、一目でわかるほど老朽化が激しく、既に一部テナントの立ち退きが進んでいます。
市場の運営会社側は建物解体を急いで土地を売却し、市場は閉場してしまう方針だといいます。一方で残っているテナント側は、敷地一部に市場を再建する方針を示すなど、より良い条件を提示してくれている不動産会社と組むべきだとし、法廷闘争に発展しています。

いずれにせよ、老朽化した現建物の解体は必要なことでは一致しています。戦後闇市から続いてきた歴史ある地がどう生まれ変わるのか注目されます。

外部リンク

閉鎖か再建か…揺れる闇市ルーツの市場 大阪・鶴橋、運営側とテナント対立 – 産経ニュース
https://www.sankei.com/article/20221114-NDWGSTTHIBKGTIGSJCGMVBTKQ4/

出典:関西テレビNEWS

「一般社団法人 大阪コリアタウン」設立

日韓ワールドカップやテレビドラマ『冬のソナタ』による最初の韓流ブームから約20年。K-POPや韓流アイドルの人気が牽引する現在は第4次韓流ブームとされており、御幸通商店街の近年の年間来訪者は200万人超、コロナ禍の2021年においても100万人を超えたそうです。

その御幸通商店街ですが、正確には西から順に「御幸通」「御幸通中央」「御幸通東」と3つ続く商店街の総称でした。そしてこの3商店街が2022年1月に統合し、今後は「大阪コリアタウン」という1つの法人としてまちづくりに取り組むことになりました。

外部リンク

<独自>「大阪コリアタウン」1月誕生 3商店街が統合、全国に発信 – 産経ニュース
https://www.sankei.com/article/20211215-LGJKL4BOOZOZVM6ZZWEHJ2ZACU/
大阪のコリアタウンが社団法人に 洪性翊理事長「共生の町めざす」 | 聯合ニュース
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20220209001500882

出典:テレビ大阪ニュース

また、2022年10月からは東側に位置する「中川西公園前」バス停に「大阪コリアタウン」の副名称が付けられています。同バス停には「いまざとライナー」も停車しており、鶴橋駅側からだけではなくこちらからの広域集客も図りたい考えです。

外部リンク

いまざとライナー「中川西公園前」停留所に副名称「大阪コリアタウン」を追加します|Osaka Metro
https://brt.osakametro.co.jp/news/news/other/20220913_brt_teiryuujyo_fukumeisyou.php

大阪コリアタウンの目下最大の取り組みとしては2023年4月、大阪コリアタウン歴史資料館が開館します。

外部リンク

大阪コリアタウン歴史資料館 公式サイト
https://oktmuseum.or.jp

いくのパーク

ところで先述のいまざとライナーとは、Osaka Metro今里筋線の今里駅以南への延伸計画が現時点では採算が取れる見込みがないとして、その代わりに走っているバスです。
採算が見込めない背景として、単にルートが都心方向に直行しないからというだけでなく、生野区を含む延伸予定地域の住民の高齢化がかなり進んでいることも挙げられ、コミュニティの活性化が求められます。

生野区では少子化により小学校の統廃合が進められています。大阪コリアタウンのすぐそばでも既に御幸森小学校が2021年に閉校しており、また大阪朝鮮第四初級学校も2023年に閉校します。
その御幸森小学校の跡地と建物を活用し、多文化共生をテーマにコミュニティ活性化の拠点を目指す施設が2022年に誕生しました。名前は「いくのコーライブズパーク」(通称:いくのパーク)です。

外部リンク

いくのパーク
Instagram https://www.instagram.com/ikuno_park/
Twitter https://twitter.com/ikuno_park
大阪市生野区:御幸森小学校跡地活用事業による「いくのコーライブズパーク」のオープニングイベントを開催します (まちづくり>リノベーションまちづくり)
https://www.city.osaka.lg.jp/ikuno/page/0000580374.html

いくのパーク
出典:大阪市生野区ウェブサイト

下記の8つの機能を包括的にもつ地域拠点となります。

  • つなぐ:多文化共生センター、市民農園
  • まなぶ:学習サポート教室「DO-YA」、バスケットボールスクール「SPIRIT ACADEMY」、短期飲食スクール「飲食人大学」、K-POPダンススクール
  • たべる:喫茶店、障がい者雇用イタリアンレストラン、クラフトビール工場、ルーフトップバー/BBQ場
  • はたらく:シェアキッチン/キッチンカーによる開業サポート
  • つどう:子育てサポート図書室「ふくろうの森」、親子つどいの場、こども食堂
  • たのしむ:定期イベントの開催
  • つたえる:多言語による情報発信
  • まもる:防災拠点、災害時避難場所
出典:大阪市生野区ウェブサイト

いくのパークでは今後もさまざまな仕掛けが予定されているといいます。2023年2月には、クラウドファンディングで集まった資金を活用して旧校庭に芝生が貼られました。

出典:J:COMチャンネル・J:COMテレビ